タバコはバカが吸うものです

2018年7月22日

tabacobaka

「タバコはバカが吸うものです」

こんなこと言ったら、喫煙者のあなたは怒りますか?

でも、その怒りを抑えて少し聞いてください。

喫煙者自身の健康被害

喫煙男性は非喫煙者に比べて肺がんによる死亡率が4.5倍であると厚生労働省の情報ページに書かれてます。

しかも、世界保健機構(WHO)の発がん評価分類では、
「人間に対して発がん性があり。人間に対する発がん性に関して十分な証拠がある」
に分類されているのです。

さらに、循環器系の影響も確認されており、
喫煙者は、非喫煙者に比べて虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症等)の死亡の危険性が1.7倍高くなるとのこと。

もちろん気道や肺自体への影響もあります。

慢性気管支炎、肺気腫、喘息等の呼吸器疾患、歯周病の原因になるそうです。

喫煙されている方は、これだけのリスクを見て見ぬ振りをされているのでしょうか?

自分には関係ないと思われるのでしょうか?
未だに厚生労働省のデータに難癖をつけて、喫煙と肺がんの関連性を否定する方もいらっしゃいますが、タバコ喫煙のリスクは、喫煙者だけにあるのではありません。

非喫煙者に対する悪影響

流涙、頭痛をはじめ肺がんや虚血性疾患等での死亡率が上昇すると言われてます。
子供においては、喘息や気管支炎等の呼吸器疾患、乳児は乳幼児突然死症候群との関連性があると報告されています。
タバコを吸ったことがない人や、吸うはずのない子供たちも周りにいる喫煙者によって、健康被害を受けてしまっているという事実は、今や大変問題視されていますが、喫煙されている方は意識をしていないかもしれません。
一緒に暮らす大切な家族や共に働く同僚達の健康を脅かしているのが自分自身だということを・・・・。

慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)

COPDは、本年7月2日に亡くなった落語家の桂歌丸さんが患っていたことで話題になりました。

COPDというのは肺気腫や気道に炎症が起きる慢性気管支炎など、慢性的な肺の病気の総称で、治療をしても元に戻ることはありません。

最近特に問題になっているのは、非喫煙者のCOPDです。

これは、間違いなく受動喫煙が原因だと言われています。

実は、私の妻もCOPDです。

私と、妻の父と、妻が勤めていた会社の喫煙者が病気発症の原因だと思います。

処方されている薬で普通に生活ができるまでになっているので、
症状はそれ程重いわけではないと思いますが回復することはないので、
かなり気をつけなければなりません。

また、娘は生まれながらに肺の病気があり、
右肺の3分の2を切除していますので、
小さい頃から入退院を繰り返すくらい肺が弱く、
うちに遊びに来る方で喫煙する習慣がある人には、
申し訳ないですが喫煙をお断りしています。

私自身も最近まで、
タバコによる影響がここまで酷いとは思っていませんでした。

今では、家族で外食するときは完全禁煙店にしか入れませんし、
路上喫煙する人を見かけた場合には道を変えるなどして煙を避けるようにしています。

あなたのために、そして未来のために

私には喫煙者の友人知人がたくさんいます。

皆とてもナイスでイイ奴ばかりです。

元喫煙者の私は喫煙者の気持ちがわかる立場として、
特に目の前でタバコを吸われても気にしないようにしていましたし、
コーヒーショップの喫煙ルームに一緒に入ることも気にしていませんでした。

受動喫煙を防ぐことよりも、
喫煙する友人と一緒にいることを選んでいましたし、
喫煙する彼らを尊重してあげたかったのです。

そんな私が

「タバコはバカが吸うものです」

などと言うことになったのには、理由があります。

(1)職場の女性が受動喫煙で苦しい思いをしているから。

私が職場の3分間スピーチで受動喫煙被害についてお話をした後、
数人の女性社員から職場の三次喫煙について、
かなり被害を受けていると訴えがありました。

しかし、上司なので何も言えず、
なるべくマスクをするなどして防御する以外ないと言われました。

(2)喫煙者の家族に子供がいる。

喫煙社員に対して会社として喫煙をやめさせることは難しと思います。

しかし、その社員には小さな子供がいて、
自宅では喫煙していないとしても、
三次喫煙の被害に会う可能性は0ではありません。

家族のいる社員には喫煙リスクを十分に理解してもらって、
禁煙や休煙の努力をしてもらいたいと思っています。

(3)病気を抱える上司。

私の上司は何年も前に禁煙し、
つい昨年までその禁煙を継続させていました。

長年一緒に仕事をしてきた上司でありとても尊敬しております。

しかし数年前に難病となり、
入退院を繰り返すようになってしまったのです。

そして、半ば自暴自棄になり昨年から喫煙を再開してしまいました。

私は何度も禁煙や休煙を進めましたが、

「難病というだけでもやりきれないのに、禁煙や禁酒までしなきゃならないなんて耐えられない」

という回答・・・・とても残念です。

以上のことから仲間に遠慮して喫煙を容認し、
彼らの健康被害はもとより、
その家族への健康被害をわかっていながら見ないふりを続けてきた自分のスタンスを、
勇気を出して変えて行くことにしたのです。

共に様々な試練を乗り越えてきた仲間だからこそ、
そして、彼らの大切な家族だからこそ、
厳しい言葉かもしれないけれど、
本人の健康被害と家族への被害が明らかであるにもかかわらず吸い続けることに対して、

「タバコはバカが吸うものです」

と、言うことにしました。

あなたがこのまま吸い続けたら、
10年後に一緒に仕事ができているのか心配なんです。

あなたの家族への被害が心配なんです。

友達を失いたく無い

先日、暫く連絡をとっていなかった友人から突然電話がありました。

病院からの電話でした。

彼の口から出た言葉は、

「難病にかかってしまったんだよ」

いつも元気だった彼の声は治療の影響でとても苦しそうでした。

病名は特発性間質性肺炎。

難病です。

この病気もタバコの喫煙が原因と言われています。

この友人は、歌がとても上手で学生時代にはよく一緒に歌いました。

でももう、あんな綺麗なハイトーンでは歌えないと思います。

喋るのも辛そうですし、
酸素を手放せない状況では、
会うことすら難しい。

彼にも家族がいます。

可愛いお子さんもいます。

タバコによって、幸せが奪われることがもっと早くわかっていたら、
10年前にこう言っていたでしょう。

「タバコはバカが吸うもんだぞ!」って。

大切な人だからニコチン依存に負けてもらいたく無い。

なんとか依存から抜け出して、
自分と家族のためにがんばってもらいたい。

そして何より、いつまでも元気でいてほしい。

それが私の思いです。