喫煙と禁煙

2020年1月9日

根性で禁煙できる人は少ないと思います

タバコを吸ったり吸わなかったり、禁煙したり再開したり、喫煙者にとってタバコをやめるということは苦痛以外の何物でもありませんから、無限ループにも似たその「喫煙」と「非喫煙」の繰り返しを何年も続けている方も多いのではないでしょうか。

禁煙ができない人に向かって軽はずみに「根性がないからだ」とか「意志が弱いからだ」という人もいますが、簡単にやめることは喫煙期間が長ければ長いほど、喫煙本数が多ければ多いほど、ニコチン依存率が高ければ高いほど、想像以上に難しいはずです。

私の伯父がアルコール依存症から抜け出せなかったのと同じようにニコチン依存症もそう簡単に抜け出せるものではないんですよ。

「根性」や「意志」のみでやめることができるのは喫煙期間がそれほど長くなかったり、喫煙本数がそれほど多くなかったりで、ニコチン依存率がそれほど高くない方に限ったことなのかもしれません。

ニコチン依存は喫煙機会を減らすことで改善できると言われていますので、いろいろな方法で喫煙をしないように工夫をすれば依存から抜け出せる可能性が数段上がると思われますが、世の中には未だに喫煙可能な場所が多すぎてニコチン依存から脱するチャンスがことごとく失われてしまっています。

これはお酒やギャンブルなどにも言えることですが、利益優先傾向が高い社会ですから依存症患者の立場を汲み取ることなんて、なかなかできまるわけがありませんね。

誘惑が多い世の中で禁煙するのは困難

子供から大人まで多くの方が利用するコンビニエンスストアでは、年齢認証さえできれば簡単にタバコが購入できてしまいます。

店舗によってはレジ脇等の目立つ場所で大胆な加熱式タバコのキャンペーンなどをしていたり、未だに出入口付近に灰皿がおいてあったりします。

このような環境ではニコチン依存症の方が我慢しようにも誘惑が多すぎて我慢なんて無理じゃないですかね。

この状況で「根性がない」とか「意思が弱い」とか言うのは、なんか酷なんじゃないかなと思うのです。

例えば厳しい減量最中のボクサーの目の前で美味しそうにご馳走を食べる勇気がありますか?間違いなく試合後に殴られるような気がして、私には絶対無理です。

ニコチン依存症は病気ですが、意識していない人も大勢いると思います。

しかし中には、なんとかして依存から抜け出したいと思っている人や、できればタバコをやめたいと考えている人もいるのではないでしょうか。

喫煙機会を減らすために喫煙所を撤去するという考えがありますが、私の住んでいる街や勤務地では全然縮小できていません。

特に受動喫煙が問題となっている今は老若男女が利用する駅前や交差点などに設置してある喫煙所などは非喫煙者の健康まで害するので、間違いなく早急な撤去が望ましいです。

そして、受動喫煙によって被害を被る非喫煙者に対する配慮だけではなく、喫煙者ではあるけれども本当は禁煙を希望している人達のために、喫煙所を全てを撤去することは難しくても、少しづつ減らす努力をしていってもらいたいですね。

禁煙者にとって喫煙所はイジメ

タバコをやめたいと考えている人のために、できれば普段の生活をする上で目にとまる場所に喫煙所を設置するのはある意味イジメですよ。

全く卒煙する気の無い喫煙者の方々には申し訳ないですが、通常の生活動線からは離れた場所でひっそりと楽しんでいただくようにしていただければと思います。

それに、生活必需品を販売するお店ではタバコの販売をやめていただきたいですね。

せっかくニコチン依存症から抜け出せる人達が生活必需品を購入するために利用する食お店で目にとまる場所にタバコが陳列されているのは酷でしょ。

タバコは依存性のある薬物であることは間違いありませんが、今の日本では禁止されていないので、購入を禁止することは出来ません。

しかし、あまりにも簡単にそして低価格で購入できてしまう事が大変問題だと思うんですよ。

JTさんも健康に害を及ぼすタバコに変わる健康的な商品を開発されたら良いのに・・・・。

受動喫煙による具体的な健康被害

日本の喫煙率は諸外国と比べて高いと言われていますが、既に17.9%(成人男性27.8%・成人女性8.7%)にまで減少しています。

タバコを生産し続けるよりも卒煙をバックアップする商品や健康促進グッズを開発すれば、減少し続ける喫煙ビジネスに取って代わる新たなマーケットが開拓できるような気がします。

一昨年禁煙に失敗してスリップしてしまった同僚が数ヶ月前から再度禁煙に挑戦しています。

禁煙は、失敗したとしても何度も喫煙機会を減らすことに挑戦し続けることで卒煙の可能性は随分と上がりますので、全面的に応援していきたいと思います。

ただ、一度ニコチン依存になってしまった人は、飲み会や人との付き合いなどで喫煙をしてしまうと、すぐに依存状態へスリップしてしまうので、喫煙者との接触自体をなるべく避けたほうがいいかもしれませんね。

喫煙者や禁煙して間もない方などの中には、喫煙による被害が「煙い」や「臭い」といった感覚的なものと捉えていたり、咳き込んだり、頭痛がするといった症状を思い込みだと誤解している人もいるようです。

卒煙して時間が経てばわかることだと思いますが、受動喫煙によって頭痛が起きる人の場合、脳の血管が収縮したり血圧が上昇することで痛みを発生している場合があり、脳梗塞の危険性があります。

私自身がその症状ですので医師に相談した結果、仕事であっても喫煙ルームでの商談は断るようにしてくださいと指導を受けました。

人によって症状は様々ですが、心筋梗塞や喘息の症状が悪化したり目の病気や癌の発生率が上がってしまうと言われています。

喫煙所を減らしてもらいたい

受動喫煙の被害影響が最も大きいのは有害物質が充満し高濃度化した屋内施設であり、特に飲食店での喫煙は避けることが難しいので、都内に住む私としては、本年4月より施行される受動喫煙防止条例が心の底から待ち遠しいです。

屋外の喫煙所は先に申し上げた通り、今後は、どんどん減らしていってもらいたいのですが、中でも特に人通りの多い喫煙所については早急に対処が必要だと思っています。

子供から大人まで利用する駅前の喫煙所は電車やバスを利用する人達が利用しますが、乗車前に喫煙されると電車やバスの密閉された車両に乗り込むわけですから、同乗する方々に対して三次喫煙(残留受動喫煙)を強要することになってしまいます。

喫煙した本人は全く気づいておられないのだと思いますが、臭さが全身から漂ってきてかなり気持ち悪いのです。

交通機関を利用する前は喫煙しないことを標準のマナーにしてもらいたいですね。

同じように喫煙後すぐにエレベータに乗ったり、飲食店などの施設に入ることも、できれば40分程度は我慢していただければ子供への被害を低減できると思います。

煙は高いところが好きなのです

煙は低いところから高いところに向かいます。

こんなことは小学生でもわかることですが、喫煙所は地上に設置されているところが多いので、周辺だけではなく真上にも被害が拡大します。

例えばペデストリアンデッキ(駅前のデッキのこと)の真下に喫煙所が設置されている場合、デッキの上を歩く非喫煙者がもれなく曝露してしまいます。

同じように階下から昇ってくる煙で被害を被るオフィスビルやマンションの住人さんは数多くいらっしゃると思います。

地上に灰皿を置くことで周辺だけではなく真上にも被害が広がってしまうのは誰が見ても明らかですね。

喫煙所を減らすことが難しいのであれば、せめて屋内の喫煙所100%撤廃と既存の地上喫煙所をビルの屋上など真上に曝露しない場所に移動していただきたいです。

飲食店だけではなく食品を扱うお店や子供が出入りする施設は屋内に喫煙所を設置しないでいただきたいのです。

喫煙所の廃止は企業さん次第ですよ

食品を販売するスーパーがリニューアルオープンしたらなんと屋内(しかもイートインスペースの真横)に喫煙所が設置されていました。

この喫煙所が場所をとっているせいかトイレが1つしかなく、とても不便な作りになっていました。

このことを直接メールで問い合わせたところこんな回答が来ました。

誠に恐れ入りますが、煙草を販売する免許取得のため、
売場面積が400平方メートル以上の店舗は喫煙所を
設置することが義務付けられております。
何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
<2019年夏ごろのメール>

大型店舗がタバコを販売する場合喫煙所の設置が義務付けられているという内容です。

本当でしょうか?

実際に確認してみました。

製造たばこ小売販売業許可等取扱要項

第四 許可の可否の判定
2 許可の条件または期限
(1)許可の条件
②特定小売販売業及び出張販売の許可
ロ 「施設内に喫煙設備を設けること。」

製造たばこ小売販売業許可等取扱要項より引用

確かに上記の通り確認することが出来ました。

しかし、(4)許可の条件の特例
という項目があり、
撤去をしても「施設内に喫煙設備を設けること。」の条件を
適用しないことになっております

⑷ 許可の条件の特例
特定小売販売業又は出張販売の許可を受けた者であって、以下の一に該当する者については、 以下により取り扱う。
① 平成31年4月1日前に特定小売販売業又は第三1⑴若しくは⑵に規定する場所において行う出張販売の許可を受けた者(同日前に当該許可の申請を行い、同日以後に当該申請により許可を受けた者(以下「申請中の者」という。)を含む。)は、当該施設内の喫煙設備を撤去した場合、当分の間、⑴②ロの条件を適用しないこととする。
② 平成31年4月1日以後に健康増進法の一部を改正する法律(平成 30 年法律第 78 号)第3条の規定による改正後の健康増進法第 33 条第1項に規定する第二種施設等において特定小売販売業又は第三1⑴若しくは⑵に規定する場所において行う出張販売の許可を受けた者(申請中の者を除く。)は、平成32年3月 31 日までの間、⑴②ロの条件を適用しないこととする。

製造たばこ小売販売業許可等取扱要領より引用

以上の記述から喫煙所の撤去は可能であると思うので、そのことを丁寧に件のスーパーにお伝えしたところ数ヶ月経っても完全に無視されちゃってます。

いつか撤去していただけると嬉しいんですけどね。

依存性薬物は規制したほうがみんなのためです

かつて戦時中の日本では、ヒロポンと呼ばれていた覚醒剤が普通に薬局などで購入できたそうです。

1951年に覚せい剤取締法が施行されて刑罰の対象となりましたが未だに違法な乱用が後を絶ちません。

タバコも覚せい剤同様、依存性薬物に変わりありませんが、法律で規制されていませんので取り締まる対象ではありません。

しかし現在は、タバコは依存性だけではなく受動喫煙による健康被害が明らかとなっていますので、非喫煙者、特に未成年に与える影響をもっと考えて、少しでも喫煙による被害を縮小していく流れを加速していく必要があると思います。