神輿を担ぎました
お祭りに参加する人たち
お祭りは賑やかでいいものです。
参加している人も、
それをみている人も、
みんな笑顔で楽しそう。
こういう賑やかで楽しい催しは、
是非とも若い世代に正しく受け継がれていってもらいたいですね。
今回、地元のお祭りに参加しましたが、
とっても盛り上がりでしたよ!
しかし、参加している人の平均年齢が、
高齢化しているように感じるのは、
私だけでしょうか?
もちろん20代の若者もたくさん参加してくれていますが、
確実に高齢化が進んでいると思います。
日本の良き伝統であるお祭りで、
その中でも賑わいの中心となる神輿は、
少人数では担ぐことができません。
うちの町会の神輿は、
担ぎ手が少なくても36人くらいは必要で、
これ以上参加してくれないと交代もできないんですよ。
3回くらい交代できる人数だとすると、
108人必要なんですが、
うちの町会でそんなに人を集めることはできません。
私は5〜6年前からお祭りの手伝いには参加させてもらっていますが、
神輿を担いだのはここ数年で2回のみです。
町会長さんから、
「地元町会のお父さんたちの協力が欲しい!」
とお願いされたので、
子供会で一緒だったお父さん仲間たちと、
参加を決意したのでした。
それでも担ぎ手は全然足りないんですよ。
そうなると他の地域から人手を集めることになるんです。
実は我が町会では長年同好会の方にお願いして、
なんとか神輿を絶やさずに実施することができていたそうなのです。
よって、担ぎ手の多くが地元町会の方々ではないので、
同好会の方々の半纏で彩られることになります。
それは、神輿を絶やさないためには仕方がないことです。
しかし、ここ数年の間に町会に参加するお父さん方が増え、
先の町会長さんの言葉にも通じますが、
地元町会で神輿を担ごうという機運が高まって来たんです。
そういう意味で今回のお祭りは、
町会としても新たな挑戦であり、
町会長さんと子供会の会長さんの意気込みに応えたくて、
力も体力もない、
祭りが全く似合わない私ですが、
参加させていただいたんです。
お揃いの半纏
長い間、地元の大人が参加しなかったので、
私たちの町会には半纏がありませんでした。
以前担がせていただいた時は、
ずいぶん昔(まだ地元町会で神輿を担げていた当時)の半纏があったので、
それを借りていたのですが、
なぜか返すことになってしまったんですよね。
ここ納得いかないんですよ。
新参者には貸さない的なことなのか、
なんなのかよくわかりませんが、
担ぎもしないのに貸さないって言う町会の老害には、
ちょっとがっかりしました。
なので、町会で新たに半纏を作ることにしたんです!
(もちろんお金かかったけど)
町会長さんと子供会の会長さんたちの熱意に心動かされました!
古い半纏(返却済み) 新半纏(こっちの方がかっこいい)
町会のみんなが、
お揃いの半纏を羽織っている姿が、
とっても新鮮で、
一気に一体感が生まれましたね!
スタイルから入るっていうのも
大事なんだなあと思いました。
神輿を組む!
私は子供会にも所属しているので、
単なる担ぎ手としての参加ではなく、
様々お手伝いもさせていただきました。
神輿は普段、
所属神社の倉庫に格納されています。
当日の午前10:00から組み立てを行うんですが、
私が着いた時には既に倉庫から神輿は出されいて、
飾り付けされていない状態でした。
そこにみんなで装飾を施すんですが・・・・
素人には絶対無理です!
なので、先に書いた他地域の方々と、
地元で古くから関わっている方が中心となって
飾り付けをしていくんですよ。
こんな感じで出来上がって来ます。
設計図もマニュアルも何もないのに、
手際よく作り上げていくんです。
動画で撮っておけばよかった。
出来上がった神輿は、
町会まで持っていき一旦待機し、
夕方に再度集合し、
担ぐ場所まで専用の台車で移動します。
神輿を担ぐ!
駅前の通りから続く通りに、
各町会に割り当てられた場所が作られていました。
指定された場所に各町会の神輿を待機させ、
台車から「馬」と呼ばれる台座に乗せ替えて、
担ぐ準備をします。
お囃子が鳴り響き、
次々と町会が出発し始め、
我々の町会もスタートしました。
私は親棒左のケツにつきました。
神輿の棒が4本あるんですが、
真ん中2本の左で、
神輿本体の後ろ側についたんです。
拍子木の音とともに一本締めをし、
すぐに神輿を担ぎあげます。
重い
さすがに重いですよ。
勿論同好会と町会のみんなで持ち上げますので、
一人一人の負担は、
それほどでもないと思いますが、
慣れていない私にはきついきつい!
それでも上下のリズムに合わせて、
自分の肩を棒に密着させて担ぎました。
このリズムが合わないと、
棒で肩が叩かれるような状態になるので、
とっても痛いんです。
途中の休憩地点で神輿を馬に乗せる際、
ちょっとしたいざこざが発生!
若い人たちの考えと、
古くからの伝統を重んずる考えがぶつかりました。
祭りに喧嘩はつきものなのかもしれないですが、
平和主義の私には正直理解できないものがあります。
幸い言い争い程度で集結しましたので、
無事に再開。
私は担ぎ手が少ない前方に移動し、
最後まで担ぎ切りましたよ。
その後も同好会の方々と、
町会との認識のズレから、
言い争いが発生したりしましたが、
町会側が頭を下げ、
同好会の方々も納得し、
無事に初日は終了。
私の肩はこんな感じになりました。
痛々しいでしょ。
実際痛いです。
2日目は本神輿を各町会が協力して担ぎます。
これは4年に一度の大祭の時だけのイベントで、
神輿の大きさもグレードも段違いです。
私たちの町会は、
親棒の左が担当です。
地元町会のメンバーが担ぐべきとのことで、
前方を担当させていただきました。
4本あるそれぞれの棒を、
各町会が担当するのですが、
ものすごく力強くて凄かったです。
重い神輿を高々と持ち上げる「差す」も体験しました。
その後は各町会ごとに本神輿を担当し、
自分の地域を回ります。
担当の時間まで待機し、
我が町会への受け渡し地点で本神輿を受け取り、
昨晩でのいざこざも何処へやら、
同好会の方々と町会が協力して、
大きな本神輿を堂々と担ぎあげました。
担ぎ手の数が心配でしたが、
途中で抜けて交代できるくらい集まってくれたので、
本当によかったです。
大事件発生!!
町会の担当する範囲を無事に担ぎきり、
他町会が担ぐルートを、
我が町会も後ろから見守るようについて回ります。
ようやく合流地点に到着し、
本神輿を馬に乗せて休憩。
この後各町会がそれぞれの棒を担当し、
神社に神輿を入れます。
その大事な最終イベントの直前に事件が発生しました。
最終イベントですから、
神輿の周りは担ぎ手の屈強な男たちがたくさん集まっています。
急に
「このやろう」
的な怒声が響き渡り、
一瞬のうちに喧嘩が担ぎ手の大波を作り、
神輿のまわりを2人の担ぎ手を目指して渦を描きます。
いや〜
怖かったよ〜
本物の喧嘩ですから、
テレビや映画の喧嘩のシーンみたいな
スマートな感じじゃないです。
結局警察と救急車出動ですよ。
喧嘩をしたのは数名ですが、
どちらも地元の人ではないのですよ。
別の町会が呼んでいた同好会の1人が、
我が町会に協力してくれている同好会のメンバー1人を殴り、
執拗に追いかけて攻撃し続けた感じです。
やられた方は流血していました。
私はちゃっかり道路脇の看板の後ろに逃げて、
こっそり眺めていましたよ。
警察が介入し騒ぎが治り、
なんとか再開することができて、
宮入りまで私も担ぎ切りました。
そして私の肩はこんな感じになりました。
よくわかりませんかね?
オロナイン塗ってもまだこんな感じ。
肩だけでなく膝も痛くて、
動くのも辛いのですが、
なんかやりきった感があって、
清々しい気分です。
祭りの問題点
今回フルで祭りに参加して思ったことがあります。
最初に書いた通り、
高齢化が進む中で、
多くの方に参加していただくためには、
今のままではダメな点があると思いました。
祭りに参加しにくい
祭りに参加しやすくするために、
祭り用の服装などのアドバイスが必要だと思います。
半纏だけではなく、
足袋やシャツや股引など、
初めて参加する人でも、
安心して溶け込めるようにしてあげた方が
参加しやすいです。
ルールがわからない
どこの棒を担げば良いのか、
しきたりや掛け声など、
わからないことが多いので、
事前にレクチャーしてあげれば
安心して参加できます。
常識のある環境作り
所構わず喫煙し、
平気で吸い殻の投げ捨てなどを行う行為は、
若いやんちゃがするなら「不良」の行為で済みますが、
大の大人がすべきことではありません。
しかも、喫煙率が20%を切っている現代で、
喫煙者がルール無用で公道を煙で汚す行為は、
新たな参入者に良い印象を与えるはずがありませんし、
子供を連れてくることができなくなります。
そもそも祭礼の儀式で失礼な行為に当たらないのでしょうか?
私は神道ではないので、
お祭りの儀式についても
宗教的な儀式としては考えていません。
あくまで町会の伝統行事として参加させていただいています。
しかし、神社から御霊を神輿に入れ、
その御霊が入った神輿に対して失礼にあたるからという理由で、
上から見下ろしてはいけないなどと言ったり、
前後を間違えちゃいけなかったり、
そんなに祭礼の常識を気にするのであれば、
大切な御霊の入った神輿周りで喫煙するのはどうなのさ?
喫煙を我慢できない方がしっかりルールを守ってくれなければ、
新たな地域の人たちの参加は厳しいと思います。
勿論、
喧嘩は絶対やめていただきたいです。
時代錯誤も甚だしいです。
軽量化
やっぱし重いです。
草食タイプの現代人にはきついです。
色々意見はあると思いますが、
素材の変更や削減で、
少しでも軽量化が図れれば、
年配者や女性でも担ぐことが可能になるかもしれません。
力持ちが多い時代と違って、
スマートでスタイルの良い方々が多い現代ですから、
神輿についても変更すべき点などを
検討した方が良いと思います。
地域の大切な行事であれば、
多くの人に参加していただき、
長い間親しんでいただけるように、
地域自体が工夫しなければなりません。
伝統を守りつつ現代に合わせていく柔軟性が、
お祭りの現場に求められているのかもしれません。