アルコール依存症の恐怖 4

2018年6月13日

alcohol4

アルコール依存症の恐怖1
アルコール依存症の恐怖2
アルコール依存症の恐怖3

病んでいく心

「ああああああああああ」

朝早く、6畳一間のぼろアパートの一室から男の叫び声が近所に鳴り響きました。

目の前が神社だったので、運よく風になびいた木々の葉のこすれる音で、叫び声はかき消されたかもしれませんが、全身に満ちた怒りの炎は消えるどころかますます盛んに燃え上がりました。

最高点に達した怒りは、次第に落胆へと変わって行き、崩れるようにその場にへたり込んだ私は、目の前にいる伯父が”まともではない”ということを、本当の意味で理解しました。

そして私自身も、既にまともではない環境に飲み込まれ、生活も仕事も何もかもが少しずつズレはじめていたのです。

小さなズレは、やがて取り返しのつかないほどの大きな隔たりを生みます。

自分がまともだと思っていた私は、冷静さを装い普段通りに通勤し、現実を直視しないように努めていましたが、知らず知らずのうちに地獄の生活へと転落していくのです。

狂ったプラス思考

私の銀行口座には百数十万円入っていました。

私はこれまでの間、実父から散々搾取されてきましたが、今度は伯父から窃取されました。

伯父は一週間の間、私の金でギャンブルをし、酒を煽っていたのです。

そして、お金が無くなって戻ってきたのです。

私の怒りや憎しみは”まともではない”伯父に向けることはできず、失ったお金は綺麗さっぱり諦めることにしました。

そんな中、伯父はまた就職すると言い始めて、近所のコンビニを始め色々な所に面接をしに行くようになりました。

とにかく、前向きで毎日のように職探しに出かけるのです。私に対する申し訳なさから、努力をしているのだろうかとも思いましたが、既に期待などしていませんでした。

しかし、生活が厳しくなるのは間違い無いので、自由にさせていたのですが、ある時、伯父が積極的に就活するのには理由があることがわかりました。

面接する先々でいきなり給料の前借りを申し出てお酒を買うのです。全ての就職先の方とお会いしたわけではないので事実はわかりませんが、酒のために就職活動をして、酒を飲んですぐにクビになるようなことの繰り返しをしていたようです。

私はというと、”まともではない”伯父は病人に等しいので、このまま私が養う以外無いと思い込み、苦しい生活の中カップ麺やインスタント麺で毎日をしのぎました。

消えて行く生活

就職活動が全くうまく行かなくなった伯父は、酒を飲むために別な手段をとります。

まず、私の家の電話の権利を質入れしました。これには私も了承していて、というか伯父にことば巧みに説得されたのかもしれませんが、契約者本人である私が契約をしました。そしてそのお金を伯父に貸したのです。

もう、自分でも何をやっているのかコントロールができない状態でした。

いつしか、伯父が中心の生活になっていたのです。

そして、ある日仕事から戻ると、エレキギターが無くなっていました。

また、ある日はビデオデッキが無くなっていました。

伯父は、私に断りもなく様々なものを質入れしました。

私の生活は徐々に消えていったのです。